読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

gakugei_today

建築・まちづくり・コミュニティデザインの学芸出版社です。最新情報をお届けします。

林業女子とモクフェス@松本

先日、長野県の松本、雄大なアルプスのふもとで行われた「モクフェス」というイベントに参加してきました。

WEBで目にしたイベント、「モクフェス」。ワークショップや木工体験、子ども上棟式、そして全国の林業女子が大集合・・・?林業界若手がなにやら今面白い、と思いたち、とりあえず声をかけさせてもらったのが、林業女子会@京都の岩井有加さん。岩井さんは2年程前に「林業女子会」を立ち上げた、まさにその人です。

林業女子会とはその名のとおり、林業を女子が盛り上げようと結成された集まり。その動きは全国各地でじわじわと広まりつつあります。同じ京都ということもあり岩井さんに、「当日、会場で是非ごあいさつを・・・」とのメールを送ったところ、「車乗っけますよ?」と初めてのメールへの返事とは思えないありがたいお言葉をいただき、長野まで車に乗せてもらえることに。

そして当日。車には山口、兵庫、京都の林業女子メンバーが。皆さん行政や林業コンサル会社などで、林業にかかわるお仕事をされています。さらに広島からは『今日も林業日和』を書かれた、安田林業中島彩さん。林業に首をつっこんで間もない私が「へえー林業の現場で木を切ってる女子がいるんだなあー」とふんふん言いながら読んだ本。まさかいきなりご本人にお会いできるとは思ってもいませんでした。

そして。長野まで向かうその車内はまさに、とどまることを知らない“林業女子トーク”が繰り広げられました。飛び交うのは女子の黄色い笑い声、でも会話の中身は超ガテン系
「足袋ってスパイク付き使ってます?」
「雨のときは使いますね、やっぱ重機滑るんですよ〜」 
ずっとこんな感じです。何も知らない私にはとてもついて行けないディープな世界が。

そしていよいよモクフェス本番。会場のアルプス公園は初秋のとっても良いお天気で雲ひとつない快晴です。会場にはオープン前から若い親子連れや学生、おじいちゃんおばあちゃんまで、老若男女、黒山の人だかりが。


林業女子のブースでは、木のコースターづくり、木の椅子づくり体験を行いました。林業女子会@岐阜、栃木、静岡、東京のみなさんも加わり、ますます賑やかに。総勢15名もの林業女子が集まったのは、柳沢林業の原薫さんという方の呼びかけがあったからだそう。原さんも中島さんと同じく現場林業女子。林業の最前線、山にはいって木を切るお仕事をされています。それだけでなく原さん、実は女猟師でもあり・・・(くわしくはこちらの本を『女猟師』)。林業にかかわる女子といっても本当にさまざま。木こりで女猟師という音の響きからは、どんなにかたくましい女性を想像されるかもしれませんが、お二人とも小柄でほっそりとしたとっても美しい女性で私もびっくりしてしまいました。

林業女子の木のコースターづくりも順番待ちがでるほどの人気でした。椅子づくり体験ではさすが林業女子、チェンソーづかいやのこぎりの扱いは手慣れたもの。@岐阜のみなさんのチェンソーさばきにもほれぼれしつつ、出来上がった切り株のような椅子はほんとかわいいんです。

そのほか積み木遊び、木工体験、手作りアロマ、子どもミニ上棟式・・・ロケーション抜群の見晴らしの良い小高い丘の上でさまざまな木との触れ合い方があり、盛況のうちに幕を閉じた今回のイベント。

最後に皆さんに“女子だからこそ”って思う時はどんなとき?と聞くと、
「女子特有のこのからっとした感じは今までの林業界にはなかった。今回のように初対面でもすぐ打ち解けて、打ち合わせなしでもすぐにイベントが運営できて協力し合えるのは、やっぱり女子の才能だと思うなあー」
・・・そうでした。ネットでは交流があるものの、全国林業女子のみなさんがこうして一堂に会すのはなんと今回が初めてだったそうで。みなさん会った瞬間から旧知の仲のようにわいわいがやがややっていて、まるで初対面とは思えない雰囲気でした。

林業界はとても風通しが良くなってきているのではないでしょうか。そのなかでも、特に林業女子の存在は大きいと思います。例えば今回のようなイベントでも、小さな子どもたちや若いお母さんが気軽にのこぎり体験をしてみようと思えること。少し人見知りの子でも、林業女子が「やってみようか?」と声をかけると、首を縦に動かしてのこぎりを握ります。ゆっくりと自分のペースで、一生懸命のこぎりを動かして自分のコースターを作っていました。 “おねえさん”がいると少し敷居が下がるようです。


いつもにこやかな林業女子会のみなさんですが、本当はとても真面目で博学。みなさん優しく丁寧に林業について教えてくれました。やはり今の林業には色んな問題が山積みなんだそうです。
TPPの問題なんて林業界じゃとっくの昔に起こってる。今の林業を見たらどうなるか明らかでしょう。」なんて言葉も。それでも50年、100年先の未来へと、元気な山をのこしていくことの必要性を感じているからこそ、林業女子の活動をされているのだそう。
「直接林業に関わりたいという人を増やしたいのではなくて、少しでも木のことを知ってほしいし、関心を持ってほしい。何年か後に、ちょっと思い出してくれるきっかけをつくることが大事」という思いは今回十分かたちになっていたのではないでしょうか。それでいて行動、実践に移す勢いも十分。一部の林業女子は若手林業ビジネスサミットやその他セミナーなども準備中のようでモクフェスが終わってもまだまだとても忙しそう笑。

私のような無知な人間にとっても、はじめて首を突っ込んだ林業の世界で最初に林業女子のみなさんにお会いできたことは、とてもありがたいことだったなあと感じています。何となく遠い存在だった林業をとても優しく、わかりやすく教えてもらえたことや、会ったこともない私に「車乗ってく?」といってくれるような間口の広さは、外の人間には本当に嬉しいものです。そして今回、林業女子の皆さんから仕入れたたっぷりの若手林業界のネタ。私も引き続き林業界若手の面白い動きを追いかけて行きたいと思います。

広告を非表示にする