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gakugei_today

建築・まちづくり・コミュニティデザインの学芸出版社です。最新情報をお届けします。

『スマート・テロワール』評 : 宗田好史(京都府立大学教授)

書評

■おすすめの一冊

評 : 宗田好史 (京都府立大学教授)

 農業と農村を語る本の多くは、現状を肯定した上で、その再生への道筋を描こうとしているように見えます。しかしこの本は違います。売れる農産物を作り、過疎化する農村に若者を呼んで従来のやり方か多少改善した農業に従事してもらうというような、対症療法ではなく、瑞穂の国の水田の半分を大胆に畑作に転換することからという根本的な治療、つまり現代の日本農業の大転換を説いているのです。
 7千ヘクタールの畑でポテトチップスのカルビーが契約栽培する畑を見れば、有効活用されていない100万ヘクタールの水田の1割でも同様の転換は起こるかもしれません。長年の供給過剰を顧みず、稲作にこだわる農業には無理があります。現代の国民が求める食料需要に応え、農業者の自由な発想と創意工夫で食の可能性を追求する農業が不可欠です。この本は、この転換の道筋を示しています。
 そんなことは不可能だと思い込んでいる関係者を啓蒙することの難しさは容易に想像できます。でもこの本の分りやすい内容に触れた皆さんが、ごく当たり前に思えるこの道筋に共感し、共鳴することで、頑なな意識が変わっていくのだと思います。
 今や我々の食生活に溶け込んだカルビーの経験が教えてくれる食と農の新しい未来が日本の農業と農村を変える可能性に大いに期待しています。

□松尾雅彦著『スマート・テロワール』のご紹介
http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/syohyo/index.htm

□宗田好史さんの本
 http://bit.ly/1zvCZJl

□学芸セミナー@東京
「スマート・テロワール−農村消滅論からの大転換−」
 松尾雅彦/北野収
 日時:2015年1月30日(金)
 時間:18:00開場、18:30〜20:30
 場所:ちよだプラットフォームスクエア505・506(東京)
 会費:1000円、定員50名(先着順)
   『スマート・テロワール』ご持参の方、会場でお買い上げの方は500円
 交流会は満席ですが、セミナーは残席が少々ございます
 詳細&お申込み
http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1412sma/index_tokyo.htm

□松尾雅彦著『スマート・テロワール
 リツィートで1冊プレゼント・キャンペーン実施中!(2015.1.5〜1.31)
https://twitter.com/gakugei_today/status/551924813837516801

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